合理的な構造
XYZ三方向にボルト締結用長穴を配し、前後・左右・垂直方向の位置調整を可能にしました。また、連結部と本体の隙間を少し広めにとり頭部の勾配調整も可能にしました。これらの調整は全て本体を下地へ設置後に行えるので、施工者は安心して工事を進められます。






鋼鉄製-安定した耐力維持
脆性(ぜいせい:もろい)を示す素材とは異なり、鉄は靱性(じんせい:粘り)があるため、設計強度を超えて曲げても急激な破壊は起こりません。鉄は紫外線劣化や気温による劣化は殆ど無いため、適切な防錆処理が施された鋼鉄製の構造物は、経年後も初期の物性を保持します。この靱性と初期物性の維持を重視し、ベルベースの素材を鋼鉄製としています。
力の確実な伝達
頭部・連結部・本体部は高力ボルトによる摩擦接合で確実に結合させています。本体は水切りを貫通しているので、頭部に加わった荷重が無理なくアンカーボルトへ伝わります。また、貫通部は溶接により一体化しているため、本体の変形を防止すると共に、確実な水密性を得ています。
高力ボルトによる摩擦接合
ベルベースの調整用長穴可動部では、部材相互の接合に高力ボルトを用いて信頼性を高めています。高力ボルトを用いた摩擦接合部では、向かい合う鋼板表面のそれぞれにリン酸亜鉛を塗布処理し、摩擦係数を向上させて接合を確実なものにしています。
高力ボルト:ベルベースに用いる高力ボルト、ナット、ワッシャは、国土交通大臣認定品F8Tに求められる機械的強度を有していますが、ワッシャが規定よりも大きいため(規定17×32×4.5、ベルベース17×40×6)国土交通大臣認定品には該当しません。
頭部の位置をあとで調整
ボルト接合部の長穴を利用して、XYZ方向の位置調整がmm単位で可能。更に水勾配のある下地へ設置しても頭部を水平に保てます。ベルベースを下地に固定した後に、頭部の位置を調整する「あと調整」方式なので、施工に余裕が生まれます。施工精度に注意を払っても現場では多少の誤差が生じるものですが、現物合わせをしながら調整できるため安心です。
長寿命
ベルベースの素材である鋼鉄は腐蝕により耐力が低下するため、腐蝕防止を目的とした溶融亜鉛メッキ層の耐用年数が、ベルベースの寿命を決める大きな要素となっています。ベルベースに施されたメッキ層の耐用年数は都市工業地帯で62年と推測されています。






参考資料/JIS H8641:2007 解説付属書 溶融亜鉛めっきの耐食性
※耐用年数は推定計算例であり、保証値ではありません。
ベルベースの表面には厚さ550g/㎡の溶融亜鉛メッキ(HDZ55)を施しています。これはJIS H8641「溶融亜鉛めっき」に定められた最も厚いメッキ層で、「過酷な腐蝕環境下で使用される鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類」に適用されます。
溶融亜鉛めっきの種類及び記号
種類 | 記号 | 適用例(参考) |
---|---|---|
2種35 | HDZ 35 | 厚さ1mm以上2mm以下の鋼材・鋼製品、直径12mm以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを超える座金類 |
2種40 | HDZ 40 | 厚さ2mmを超え3mm以下の鋼材・鋼製品および鋳鍛造品類 |
2種45 | HDZ 45 | 厚さ3mmを超え5mm以下の鋼材・鋼製品および鋳鍛造品類 |
2種50 | HDZ 50 | 厚さ5mmを超える鋼材・鋼製品および鋳鍛造品類 |
2種55 | HDZ 55 | 過酷な腐食環境下で使用される鋼材・鋼製品および鋳鍛造品類 |
JIS H8641:2007 溶融亜鉛めっき
亜鉛めっき層の耐用年数は環境別の腐蝕減量から求められます。JISに示された計算方法による環境地帯別の、ベルベースの耐用年数をグラフに示します。
使用環境別亜鉛腐蝕速度
ばく露試験地域 | 平均腐食速度(g/㎡・年) | 耐用年数(年) |
---|---|---|
都市工業地帯 | 8.0 | 62 |
田園地帯 | 4.4 | 113 |
海岸地帯 | 19.6 | 25 |
JIS H8641:2007 解説付属書 溶融亜鉛めっきの耐食性
※耐用年数の計算式 : 亜鉛付着量÷年間腐蝕速度×0.9
ベルベースの亜鉛付着量 : 550g/㎡
都市工業地帯での耐用年数 : 550÷8.0×0.9=61.9
防水を熟知した製品設計
建築物の屋根に求められる最も大切な使命は雨水の浸入を許さないことです。基礎の設置工事は、陸屋根に施された防水層の所用部分を一時的に撤去して進めるため、漏水事故発生の危険が常につきまといます。防水を熟知した製品設計により、既存防水層と干渉しない製品(VBA / 外アンカー、VBC2)、防水層を撤去しても漏水事故の確率が低い製品(VBA / 内アンカー、VBF)を提供しています。
確実な雨仕舞
ベルベースの水切部は、張り出し幅及び立下がり幅を充分にとり、防水層末端部へ雨水が廻り難い構造になっています。
次回の防水改修にも配慮
防水層は定期的な改修を実施します。ベルベースは、ベルベース上に設置した太陽光発電設備やその他の設備機器を取り外すことなく、次回の防水改修工事が可能な高さになっています。
防水層末端部の処理は、押さえ金物を取付ける方法以外に、ステンレスバンドで締付ける方法もある。
既存建物の屋上へ基礎を新たに設置する際に基礎底部の既設防水層を撤去する場合、工事中の雨養生が不充分であると漏水に至る確率が高くなるため、雨養生は重要な管理項目です。
ベルベースA(内アンカー)の場合
テープでシャッター上端からの浸水を、シーリング材で本体底部周囲からの浸水を防いでいる。但し、この例は数日間の簡易止水工法であり、ベルベース本体部への速やかな防水層の施工が必要。
既存防水が加硫ゴムシートの例
コンクリート基礎の場合
型型枠下部の周囲にシーリング材を打つ等が考えられるが、雨養生は容易ではない。
既存防水が塩ビシートの例
工期短縮
従来のコンクリート基礎を設置する場合、配筋→型枠設置→コンクリート打設→型枠解体等の工程を経るため、数日間で基礎を設置することは難しいことでした。更に市街地の既存ビルの場合、アンカーの設置やコンクリートの打設時等に、騒音の発生・ビル内の養生・周辺道路の交通等への対策が必要となり、主として休日を中心とした工程を組まざるを得ず、工期が長くなることは避けられません。ベルベースの設置は、工場生産の既製品をアンカーボルトで固定するだけなので数日間の工期で完了します。そのため施工の環境や条件が厳しく、休日しか施工日を得られない場合にも柔軟な対応が可能です。




空調機器、受電機器、太陽光発電システム等の設置工事で、当初工程である基礎設置で工期短縮が可能となるため、後工程に余裕が生まれます。 | ベルベースは短工期での設置が可能なため、基礎設置工事に対する管理経費が低減されます。 | 短工期では降雨に遭遇する機会が減るため、漏水事故の発生率が減少します。また、既製品を設置する乾式工法のベルベースは設置直後の防水施工が可能となり、漏水事故が大きく減少します。 | 従来のコンクリート基礎の場合、設備用架台の設置に先立ちコンクリート基礎の頭部を穿孔しアンカーボルトを設置する必要があります。ベルベースは、この架台用アンカーボルト設置の工期と費用が不要となります。 |
乾式工法
ベルベースは、品質管理された工場生産品を現場で取付ける「乾式工法」で設置します。この乾式工法は、従来の湿式工法(コンクリート基礎)に比べ安定した品質、短工期、省力化、軽量化等の優れた長所を発揮します。
ベルベース(乾式工法)
コンクリート基礎(湿式工法)




完成品の品質 | 仕上がり精度 | 標準化 | 養生期間 | 工期 | 作業員の技量 | 施工時の天候 | |
乾式工法 | 安定 | 高い | 容易 | 極短い | 短い | 依存小 | 影響小 |
湿式工法 | 不安定 | 低い | 複雑 | 長い | 長い | 依存大 | 影響大 |
軽量化
建築物の耐震性能にとって、屋上の荷重増加は無視できません。耐震性能に余裕が少ない建物はもちろん、耐震補強を施した建物
も、なるべく軽い屋上にしておきたいものです。ベルベースは、コンクリート基礎では不可能な軽量化を実現しました。





既築建築物を耐震改修する際に、屋上防水の改修と共に保護コンクリートを撤去するなど、屋上を軽量に保つ努力がなされています。既築建築物の屋上に新たな設備機器を載せる場合、屋上へ加わる荷重は設備機器類と基礎の合計。基礎をコンクリート製にすると、基礎の荷重が設備機器類の荷重を上回る場合も発生します。従来の重いコンクリート基礎以外の選択肢をベルベースは提供します。
登録技術
建築物の耐震性能にとって、屋上の荷重増加は無視できません。耐震性能に余裕が少ない建物はもちろん、耐震補強を施した建物も、なるべく軽い屋上にしておきたいものです。
新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)は国土交通省が、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、整備したデータベースです。ベルベースは、乾式工法を可能にした設備用鋼製基礎としてNETISに登録されています。登録番号KK-130049-A
「公共工事等における新技術活用の促進について」 国土交通省大臣官房技術総括審議官通達
NETISは、公共工事等における新技術の活用検討事務の効率化や活用リスクの軽減等を図り、有用な新技術の積極的な活用を推進するための仕組みであり、新技術の積極的な活用を通じた民間事業者等による技術開発の促進、優れた技術の創出により公共工事等の品質の確保、良質な社会資本の整備に寄与することを目的とする。
新技術とは、技術の成立性が技術を開発した民間事業者等により実験等の方法で確認されており、実用化している公共工事等に関する技術であって、当該技術の適用範囲において従来技術に比べ活用の効果が同程度以上の技術又は同程度以上と見込まれる技術をいう。
高力ボルトの特性試験



水平荷重試験
垂直荷重試験
摩擦接合部の荷重試験